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2017年10月03日 [講演会]

経営問題研究会講演会開催

日 時:平成29年9月25日(月) 14:00~15:30

場 所:ホテルマイステイズ松山 2階 フェスタ

演 題:地域中小企業 今何をする 具体的事例に学ぶ

講 師:関西学院大学大学院経営戦略研究科教授 佐竹 隆幸 氏

参加者:65名

   

 最初に、本題に入る前、佐竹先生が自己紹介をされました。

 佐竹先生は、1960年(昭和35年)11月22日、大阪市の生まれで、実家は大阪ミナミの老舗料亭。世話をするお付のばあやがいたほどのぼんぼん育ちで、本来なら9代目となるところであったが、昭和48年の第1次オイルショックの影響で料亭商売がダメになり、昭和51年2月、15歳(中学3年生)の時、実家が倒産し一家離散となった。

 学校は、中・高・大学・大学院と関西学院であるが、成績1番の者は学費免除となる関西学院の制度に助けられ、また、当時の恩師が当面の金として50万円を提供してくれたり、俳優を目指し石坂浩二の劇団に入団して話術を磨き、高校1年からホテルの結婚式の司会をして自分で金を稼いで生活していたことなど、普通なら大変深刻な当時の状況を、笑いを誘う軽妙な語り口で紹介してくれました。

 

 その後、本題に入りました。以下要旨を簡単にご紹介します。

 日本的経営について、日本では常識、世界では非常識の例として、株式会社の99.5%が中小企業である日本での、所有と経営の未分離、金融制度の担保主義保証制度を挙げ、これらの中で、決算書によらないで企業の信用力をつけていく必要がある。そのために大事な企業価値については、アメリカでは株式価値であるが、日本では、顧客・社員視点による企業価値であり、孫子の代まで会社を伝えていく企業の永続的発展である。

 それを実現させる経営が顧客価値創造経営である。お客さんが評価してくれ、顧客満足度(CSという)を高める。お客さんのニーズを的確に把握出来るのは社員であり、その社員の満足度(ES)、やる気、モチベーションを高める。このCSとESは連動しており、それが最終的にパイを創造し、利益を上げる持続可能な企業づくりとなる。

 社員のモチベーションを高め、お客さんに最高の製品やサービスを提供し、つぶれない会社をつくる。この顧客価値創造経営を実現させなければならない。

 俺の会社という場合、アメリカでは経営している会社を言うが、日本では、社員が、自分が勤めている会社をそう呼ぶ。社員のそのようなオーナーシップを育むためには、会社の雰囲気、文化、コミュニケーションが大事である。これには4つのポイントがある。①超血縁性=1回会社に入った人は皆兄弟。役員でなく一般社員の子供が、会社に入って来てくれることが社長として大変嬉しい。②系譜性=会社を継ぐのは親族の方がおさまりがよい。③階統性と④親和性=誰のために働く?自分のために働く。これが会社のためになり、最終的に自分のためになる。

 これらの具体事例として、三重県四日市市の従業員70名の造り酒屋「宮崎本店」での、答えは自分の中にあるという従業員に問題意識を持たせる面談等を通じた従業員の会社へのオーナーシップ醸成の取り組み。

 船場吉兆の使い回しが表に出た最大の問題は、社員満足度が崩壊していること。

 伊勢の赤福は10年ほど前にコンプライアンス上の問題を起こした。

 コンプライアンスは通常「法令遵守」と訳されるが、自分は「企業倫理」と訳している。

 なぜ企業倫理が大事か。守らなければ会社がつぶれるからであり、守れば信用がつく。

 雪印は偽装問題でつぶれた。

 赤福は年商100億円であるが140億円を投じて「おかげ横丁」を作り、その後赤福の偽装問題が発生したものの、地域にとってなくてはならない企業のため、雪印はつぶれたが、赤福はつぶれなかった。

 赤福の140億円の投資は、自分ところも儲かると思ってやった社会貢献であるが、CSR(企業の社会的貢献)は会社にとっても成長戦略である。

 テレビドラマ下町ロケットの佃製作所、東大阪市の人工衛星まいど1号、東京墨田区の潜水艇江戸っ子1号のように、打ち上げ花火は大事であり、ブランド力を高める戦略を地域で考えていただきたい。

  

建通新聞(H29.10.3).pdf

 

 

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